分析機能

帯電中和

電荷補償

X 線を試料表面に照射すると光電子の放出が起きます。これが、XPS 技術の基本です。表面が電子的に絶縁体である場合、電子の放出により正の電荷が生じ、表面に蓄積されます。XPS 分析に非単色化の線源が使用されている場合、試料の観察領域に帯電の影響を低減できるぐらいの十分な数の電子が同時に照射されます。一方、XPS 測定に単色 X 線源を使用している場合は、発生した正の電荷が XPS スペクトルに大きな影響を与えてしまいます。これにより、スペクトル内のピークが高結合エネルギー側にシフトしたり、光電子の表面からの放出を阻害してしまいます。このため、外部線源から電子を補充することによって、表面での電荷を中和する必要があります。これにより、表面電荷の中和を行い、ピークのシフトも数エレクトロンボルト以内に制御して安定化させることができます。残っている小さいシフトはデータ収集後、Thermo Scientific Avantage データシステムに含まれているスペクトル処理ツールを使用して補正できます。

複合帯電中和銃

単一の線源から集中した低エネルギー電子ビームと低速イオンを同時に試料に照射することは、個々の線源を使用することに比べて明らかな利点があります。イオンと電子を組み合わせて、上記の利点を取り込んだ新しい複合帯電中和銃を試料表面の帯電補正に使用することができます。この銃の設計では LaB6 電子源を使用して、エネルギー分散がわずか 0.3 eV 程度の高強度の低エネルギー電子線を得ることができます。電子ビームは小さいスポットに絞って照射され、X ~ Y 偏光器の使用により正確な位置合わせ機能も装備されています。この低エネルギービームの焦点合わせと位置合わせは、ミューメタル分析チャンバー内に存在する極めて低い残存磁場によって強化されます。

ESCALAB 250Xi スペクトロメーターの帯電中和の特長


K-Alpha スペクトロメーター用の電荷補償

Theta Probe スペクトロメーターの電荷補償の特長

一般的な用途

鉱物、セラミック、繊維、ポリマー、生物材料などの電気的に不均質な試料は、通常、帯電する傾向があります。半導体は、空気にさらされると表面が酸化されることがあるため、絶縁層でコーティングしています。