分析機能

微小領域分析

小面積 XPS

微小領域もしくは選択エリアの分析 (Small Area XPS: SAXPS) は、表面の傷や粒子など、固体表面のサイズの小さい部分の分析に使用します。SAXPS は、目的領域から検出したシグナルを最大化し、周囲の領域からのシグナルを最小化します。SAXPS を達成するための方法は 2 通りあります。まず一つ目の方法は、スペクトロメーターのインプットレンズ (レンズ規定のSAXPS) を使用して取得領域視野を制限する方法で、光電子を収集する領域は制限されます。もう一つの方法では、単色化された X 線ビームを収束させて小さいスポットに照射します (線源規定のSAXPS)。

ESCALAB 250Xi での線源規定の SAXPS は、900 μm ~ 200 μmの範囲で使用されます。200 μm より下では、レンズの光電子取得視野を制限し、20 μm 以下まで分析領域を制限可能です。K-Alphaでは、線源規定の分析領域 400 μm ~ 30 μm です。

ESCALAB 250Xi のレンズ規定の SAXPS に使用されている絞りは、モーターで駆動され、コンピューターで制御されます。これにより、最大の再現性とリモート制御が可能になります。アパーチャではなく絞りを使うことの利点は、利用可能な範囲内から分析領域を自由に選択できることです。従って、分析領域を分析対象物のサイズにほぼ一致させ、シグナルを最大化することができます。空間分解能20 μm以下の微小面積スペクトルは、エネルギーを変化させたパラレルイメージングのイメージ群からスペクトルを抽出することにより得られます。

微小領域 XPS での分析領域の測定

SAXPSでの空間分解能を測定するには、ナイフエッジ(多くの場合は銀)を試料とし、分析領域全体を通過させながらXPSシグナルを計測します(たとえば、Ag 3d5/3 ピークからのシグナル)。シグナルは、最初は0でナイフエッジが分析領域にかかるまでは0のままです。その後、ナイフエッジが分析領域を完全に埋めるまで、シグナル強度が増えていきます。この方法は、分析領域が円でX線の強度分布がトップハット型である場合に非常に有効です。

小面積 XPS での空間解像能の測定

次に、シグナル強度が距離に対してプロットされます。その後、シグナルの最小値(0%)と最大値(100%)の間で、所定の二つのパーセンテージ間でシグナルが変化するために必要な移動距離を求めます。この距離は、微小部分析における空間分解能として表されます。使用されるパーセンテージは、装置の製造元によって決まります。Thermo Scientific 製品では、空間分解能が分析領域の半径とほぼ等しいため、20%~80%の範囲を使用しています。スペクトロメーターの応答が、トップハットではなくガウス曲線で正確に表すことができる場合、16%~84%の値が、標準偏差の2倍に相当する距離となります。

ここで説明した方法は、分析領域がレンズ規定のSAXPSの場合に特化したものです。同じ方法が、線源規定のSAXPSの場合にも使用できます。

一般的な用途


  • プラズマ処理
  • ゲート酸化膜
  • バイオコーティング
  • グラフェン層厚